今頃になってから気づいたけど

躁と鬱の間をふらふらしながら、音楽聴いたり読書したりアニメ見たり。

はなとゆめ /冲方丁

読了!
とても美しく雅な世界の物語でした。読み応えがあってズドンと胸に響くような思い。かつ滑らかで清らかで柔い。

和歌がすごくたくさん出てきて、物語の中に解説は出てくるけども読み解くのに一瞬の猶予が必要で頭が疲れた。(笑)

清少納言が憧れた、みやびな会話ってほんとにすごく素敵だよなぁと共感。下手な恋愛漫画よりドキドキしてきゅんきゅんする。平安時代素敵過ぎか。

華は確かにあった。華に仕え、その下で暮らした日々を、見なければよかったとは思えない。この世の浄土であり地獄である内裏で、強く美しく愛に生きた華。源氏物語の紫の上とは違う形で、定子もまた平安の強き女性。

源氏物語マニアで平安時代大好き系文学少女だった(過去形)ので、平安もの小説は大好きです。古くは『なんて素敵にジャパネスク』!方違えで夜這いする貴族サイコーすぎるでしょw

ほんとに昔は、命を生む事は命を失うかもしれない事だったと思う。病に罹っても祈祷するくらいしかない。皇子を望まれるプレッシャーを受け続けながら、三たびご懐妊した彼女の強さ、やはり愛なのか…平安はほんとに愛に全てが動かされる時代だ。真実に愛し合う二人はどんな政治意図にも離れさせられない。愛を利用して政治を動かす事もできる。

自分の地位のために娘を使って帝の愛を得ようとした道長の、
その娘が帝に心開かないという皮肉。

どんな手段より、己の一族の力を安立するものは皇子の母となること、というのは、血縁がどれだけ重視された時代だったのか、ということ。
醜い政治争いは、乳母や実母には帝とて敬意を払う、という前提かあるからこそ。

しかし平安は顔を見せるのが家族が夫だけってことは、ぶさいくでも歌や漢文の知識が秀でていればワンチャンあるってことか…!勝つる!でも貴族に生まれないと学ぶ機会すらないだろうなぁ。

己の乳を子に吸わせる女は出世しないという教訓は言い得て妙。なるほど。