今頃になってから気づいたけど

躁と鬱の間をふらふらしながら、音楽聴いたり読書したりアニメ見たり。

ブラック・ベルベット

ブラック・ベルベット

ブラック・ベルベット

読了!

オチ………orz


簡単な謎解きとか幾つもの伏線がつながる快感なんかはあったけど、物語自体の面白さは紀行に詰め込まれてる感じでどうも性に合わない。

オチもなぁ…これが綺麗なオチと言われたらそんな気もするけど、もっと大仰なとんでもない闇オチが欲しかった。いや、恩田作品にそんなオチを求めることが間違ってるのかもしれないけど。こういう終わり方のほうが綺麗で後腐れなく文句も出なくていいのかもしれない。恩田作品はクライマックスに向けての盛り上がりやワクワクを楽しむほうが向いている作りだから、最後はこのくらいのサラリとした軽い後味のほうがいいのかもしれない。

伏線、すべてが繋がる感じも、私の脳みそで閃いたんだからかなり簡単な部類に入る方だと思われる。繋がるって言っても、半分くらいはこじつけみたいなものだったし…。キャラの魅力は際立っていたのにどうしてこうなった。

シリーズの前二作も随分昔に読んだきりだったので、同じ主人公だと想い出すのは本編が終わって広告を見た時だった。しかも、一作目はとても怖かった記憶しか無くて、二作目は殆ど覚えてない。読んだ記憶はあるけど。本編の中にはまるで連続ドラマの説明セリフのような「北海道の事件で~」と共に人物が出てくるけど、かなり昔の作品の細かい設定を引き合いに出されても、なぁ。主人公とそのひとの背後関係なんてわからないし、わからないとこの作品の楽しみ方も半減してしまっているような損な気持ちにさせられる。

いつもの恩田節のようなもやもやとして霧がかった終わり方にさせるのはミステリーの面白い面であるからそれでもいいと思うのだが、どうも綺麗にまとめようとしてコケてる気がしてならない。黄昏とか三月とかのような終わり方が美しくて好きなんだけど。無理やり終わらせなくていいのにな。まだ先に続いているようなふわりとした形で本を閉じる余韻ってあると思うんだけどな。

ブラックベルベッドはギネスのシャンパン割のことらしい。今度試してみる。